日本とミャンマーの青少年の交流を通じて、
ミャンマーの環境に優しい観光と産業を発展させ、
日本語を話す人材の育成と雇用を創出して、
人と自然との調和のための努力と支援を行うことを目的としています。
ミャンマーは、2003年以降の先進諸国の経済制裁によって、経済が低迷し、失業率が高く、物価の上昇とあいまって一般市民の生活は困窮していました。そのもっとも大きな問題の一つは雇用機会の減少です。2007年当時、雇用機会を創出するためには、観光産業の発展が有望と考えられていました。ミャンマー中央部の観光名所、バガンを訪れる観光客は、およそ70,000人。その内、日本人観光客は年間約7,000人弱でドイツ、フランスの半分に過ぎませんでした。多くの観光客は、ヤンゴンから朝早くバガンに到着し、その日に遺跡観光を行って、翌日には、マンダレーその他の地区に飛び立ってしまい、バガン滞在は、わずか1.5日に過ぎませんでした。しかも一人の観光客が使うお金は、わずかに約25ドルで、近隣の住民や村人の殆んどは、観光産業に関わっておらず、便益も受けていませんでした。
観光産業を発展させ、雇用を増大するためには、観光客がより長くバガンに滞在するに値する魅力的な何かが必要です。私たちは観光客がバガンの歴史遺産を訪れると共に、現地の市民・村人と協力して、バガン地方の環境改善に努力するという「参加型エコ・ツーリズム」の振興が、効果的であると考えました。
バガン地方における「参加型エコ・ツーリズム」とは、日本人を含む観光客が、ミャンマー中部の観光地を訪ねつつ、約180万ヘクタールの中央乾燥地において、現地村落の住民と協力して植林活動を行い、同時に現地資源を有効活用することによって、一村一品の地場産業を振興しようというものです。
乾燥地の緑を復活させ、植林後の管理を受け持つ現地村落の住民と継続的に交流を図りながら相互理解を深め、農村の貧困問題を理解し、その解決に少しでも役立つ活動を実施したいと考えます。
「参加型エコ・ツーリズム」の推進は、具体的には次のような活動を含みます。
■日本人を含む観光客とミャンマーの一般市民・青年による共同植林活動
■現地の生活環境改善と未活用資源を有効活用したエコ・インダストリーの発掘・育成活動
■ミャンマー青少年との交流活動
■日本語会話教室の支援活動
日本人観光客が増大すれば、日本語ガイドの雇用増加、ホテル・旅行代理店等の観光関連施設と交通産業の雇用増大、伝統工芸品等の土産品需要の増大等、地場産業の発展が確実に見込まれます。また、開発問題・環境問題に興味を持つ日本の一般市民と学生に対しては、途上国での開発現場の経験という機会を提供することになり、国際協力の意義と必要性を肌で感じ、国際協力への理解を深める最適の機会となります。
このような考えに基づいて、私たちはNGO「ミャンマー日本・エコツーリズム」(MJET)を設立し、任意団体「日本・ミャンマー青少年交流基金」の活動を継承するとともに、ミャンマーの環境に優しい観光と産業の発展を推進したいと願っております。
MJET会長 藤村 建夫
MJETは、日本とミャンマーの青年と一般市民が協力して植林を行うシステムを構築し、ミャンマー中部乾燥地域の自然環境と住民の生活環境を改善し、観光客を対象とした新たな農林業と環境に優しい地場産業を発展させ、日本語を話せる優秀な人材の養成とそれらの人材の雇用を創出し、以って「環境・平和・福利の尊重」という普遍的な価値に基づいた、より豊かな地域社会の実現を図ります。
MJETは、ミャンマー中部乾燥地における住民の生計向上、貧困の削減の実現を目指して、日本とミャンマーの青年と一般市民が協力して、緑化のための植林を実施し、環境に配慮した農林業と地場産業を育成して、「観光と産業と環境の調和」並びに「人と自然との調和」のための努力と支援を非営利での社会貢献活動として行います。
Copyright (c) 2009 Myanmar Japan Eco-tourism. All Rights reserved.